次世代につなげるために

現代労働組合研究会は、日本国憲法を遵守し、次世代のための労働運動のルネッサンスをめざします。

 書評・論点

労働問題・労働組合をめぐって  2021.07.23 (下線はリンク先に飛びます)

  • ●2024年11月07日(木):『ルポ 低賃金』(東海林智著、地平社、2024年4月23日発売)を読んでみた。▽私のブログにUPした。
  • ●2021年07月23日(金):書評:大内 裕和『最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし』▽『最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし』(後藤道夫、中澤秀一、木下武男、今野晴貴、福祉国家構想研究会編、大月書店、2018年10月15日)
  • ●2021年06月16日(水):書評:梁 英聖『闘わなければ社会は壊れる』▽待望の新刊、藤田孝典・今野晴貴編著『闘わなければ社会は壊れる―〈対決と創造〉の労働・福祉運動論』(岩波)について(1)
    「梁 英聖さんのnoteのページ」(2019/06/23 19:40)
  • ●2021年06月16日(水):書評:桜井善行『労働組合をどうする――その強化への挑戦』(基礎経済科学研究所東京支部編、本の泉社)――「経済科学通信」(2020年12月、No.152))   ▽(基礎経済科学研究所東京支部編、本の泉社)――「経済科学通信」(2020年12月、No.152)
  • ●2021年06月13日(日):櫻井善行著『企業福祉と日本的システム』の紹介。――『企業福祉と日本的システム――トヨタと地域社会への21世紀的まなざし』(ロゴス刊、2019年11月)。▽「ある編集者のブログ」(2020年5月19日 (火))
  • ●2021年01月15日(金):【書評】『戦後史の中の国鉄闘争〔1987年~2010年〕』その2――元国労組合員の久下格さんのfacebookより。
  • ●2020年08月13日(木):【書評】『戦後史の中の国鉄闘争〔1987年~2010年〕』――元国労組合員の久下格さんのHPより。森健一著 (お申し込みは下記へ)              ▽森健一さんのメールアドレス kmori@po.synapse.ne.jp
  • ●2020年07月23日(日):『時代へのカウンターと陽気な夢 労働運動の昨日、今日、明日』(小野寺忠昭・小畑精武・平山昇共同編集 社会評論社 2019年5月、 2500円+税)、「次世代へ 一時代を切り拓いた運動証言」(元東京都労働委員会労働者委員 水谷 研次、「現代の理論」20号)
  • ●2018年02月09日(日):『労働組合で社会を変える』石川源嗣著(世界書院、2014年10月)・書評 ―松本耕三(全港湾委員長)
  • ●2017年10月17日(火):書評 ― 北健一『電通事件――なぜ死ぬまで働かなければならないのか』旬報社、森岡孝二の連続エッセイ ― 第332回、『エコノミスト』2017年2月28日号。ブログ・NPO法人 働き方ASU――NET、労働者の働き方の改善、貧困・格差の是正に寄与します、 2017/9/2 22:19
  • ●2017年08月15日(火):『劣化する雇用-ビジネス化する労働市場政策』(伍賀一道・脇田滋・森﨑巌 編著 旬報社 1600円)/評者=渡辺照子 。レイバーネット、「週刊本の発見}第17回、2017/8/10。
  • ●2016年09月01日(火):下山房雄、赤馬通信(14)都留重人『体制変革の展望』の労働論、2003.10、No.126。
  • ●2016年09月01日(火):下山房雄、書評:高橋祐吉著『現代日本における労働世界の構図――もうひとつの働き方を展望するために』、(旬報社、2013年12月25日)、 大原社会問題研究所雑誌 №674/2014年12月、評者:下山房雄
  • ●2016年05月27日(金):『グローバリゼーションと労働世界の変容』(田端博邦 著、[評者]高橋伸彰(立命館大学教授)、 [掲載]2008年02月03日、:旬報社、価格:¥ 3,456、BOOK・asahi.com
  • ●2016年02月21日(日):書評:『組合潰しと闘いぬいた労働者たち――化学産業複数組合連絡会議30年の軌跡』『労働情報』(794号・2010年7月1日)、評者・中岡基明(全国一般全国協)
  • ●2015年08月19日(水):『労働組合で社会を変える』(管理職ユニオン・関西の仲村実書記長「コモンズ」、2015.6.10-7.10号)
  • ●2015年07月26日(日):『労働組合で社会を変える』石川源嗣著・水谷研次(『労働情報』2014年11月25日号、世界書院、2014年10月)
  • ●2015年04月22日:熊沢誠さんの『私の労働研究』を紹介、足立耕作(「朝日新聞関西版」20154月21日、堀之内出版 、2014年12月25日)
  • ●2015年04月05日:書評:赤堀正成著『戦後民主主義と労働運動』(御茶の水書房,2014年4月、5,000円+税)、大原社会問題研究所雑誌、№677/2015年3月、評者:五十嵐仁
  • ●2015年03月01日:高橋祐吉著『現代日本における労働世界の構図―もうひとつの働き方を展望するために』(旬報社、2013年12月25日)、大原社会問題研究所雑誌 №674/2014年12月、評者:下山房雄
  • ●2014年11月17日:現場の攻防から生まれた書~石川源嗣著『労働組合で社会を変える』を読んで、北 健一 (ジャーナリスト)、レイバーネット掲載 2014/10/22
  • ●2014年08月03日:西谷敏先生の『労働組合法 第3版』を読む、 有斐閣2012年12月発行、 A5判並製、*民法協で2013年01月15日、弁護士 出田健一
  • ●2014年06月09日:書評:『雇用が危ない――安倍政権『労働規制緩和』批判』(西谷敏ほか、旬報社、『国公労調査時報』6月号、評者:浅尾大輔・作家、2014年06月06日)
  • ●2014年06月02日:西谷敏・五十嵐仁・和田肇・田端博邦・野田進・萬井隆令・脇田滋・深谷信夫著『日本の雇用が危ない-安倍政権「労働規制緩和」批判』(旬報社、2014年)、民主主義科学者協会法律部会 
  • ●2014年06月01日:インタビュー:政治の在り方に影響与えた 大佛次郎論壇賞を受賞して 「ブラック企業」今野晴貴、book.asashi.com、[掲載]2013年12月24日
  • ●2014年06月08日(月)〔書評〕『15歳からの労働組合入門』(東海林智著、毎日新聞社、1400円・税別)、1 レイバーネット(2013.12.25)、体当たりで聞き一緒に泣いた!(北 健一(ジャーナリスト)
  • ●熊沢誠著:『労働組合運動とはなにか――絆のある働き方を求めて』、岩波書店、2100円+税、書評、森岡孝二の連続エッセイ - 第229回(「週刊エコノミスト」2013年5月28日号)。「ひとりのため」原点を確認、東京新聞(2013年3月24日、鎌田 慧・ルポライター、著書『国鉄処分』『ドキュメント労働者!』など)。
  • ●西谷 敏 著『人権としてのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)』(旬報社、2011年1月20日)、四六判上製、民主法律協会のHP
  • 『格差社会にいどむユニオン』(木下武男著)、
     1 五十嵐仁(PDF版)
     2 熊沢誠(PDF版)
     3 野営地(PDF版)
     4 なんぶユニオン(PDF版)  (以下のアドレスが変更されています。2014.02.17))
       http://blogs.yahoo.co.jp/tatakau_yunion_okinawa/8222383.html
     5 水口洋介・夜明け前の独り言・弁護士(PDF版)
  • ● 『現代労働問題分析』(石井まこと・兵頭淳史・鬼丸朋子編著)
     1 石川源嗣(NPO法人労働相談センター/全国一般東京東部労働組合/全国一般労働組合全国協議会/ジャパンユニオン)
     2 山垣真浩(大阪経済法科大学准教授) 
     3 井上 久(全労連事務局次長)  2011.12.27
     4 石井まこと(大分大学経済学部教授)2012.05.08 
  • 『新自由主義批判の再構築』(赤堀正成・岩佐卓也 編著)
     1 高橋 祐吉(大原社会問題研究所雑誌 №633/2011年7月)
     2 佐野修吉 (『新社会兵庫』2010年11月23日)
     3 野営地にて――あるいはレーニンがクラシックを聴かないこと。(2010年10月04日)
     4 たんぽぽコーヒーブレイク――熊本の弁護士寺内大介(2011年9月26日)
     5 雑誌『前衛』 (日本共産党発行、2010年12月号)  2012.07.04 new
  • ●2012年09.02 :久米郁男「日本型労使関係」賛美論を批判する――「五十嵐仁のページ」
  • ●木下武男のページ 2014.08.04
     小越洋之助のページ
    :「年功賃金と性差別賃金」『研究機構インフォーメーションサービス』No.73、自治労連・地方自治問題研究機構、2007年1月
    『日本人の賃金』(木下武男著、平凡社、1999年8月、 平凡社新書)
    『日本の性差別賃金――同一価値労働同一賃金原則の可能性』(森ます美著、有斐閣、
    「賃金における均等待遇を巡る論点について――遠藤公嗣氏論文を手掛かりに」、小越洋之助(国学院大学教授)、研究機構・インフォメーション・サービス NO.88、JILG:Information Service 2010・11・12
    遠藤公嗣著『賃金の決め方―賃金形態と労働研究』(ミネルヴァ書房,2005年6月),vi+233頁,定価2800円+税)、小越洋之助、大原社会問題研究所雑誌 No.568/2006年3月


      ▽追加2012.07.07
     
    編集子自身が単行本で労働問題や労働組合について、かかわったのはすでに20年も前のこと。

     しかし2011年に入って『今崎暁巳さんと私』(ドキュメント作家・今崎暁巳さんの追悼文集)と『回想の川﨑忠文』(元労働旬報社編集部・中央大学ほか講師・法政大学大原社会問題研究所嘱託研究員など)の編集・DTP作業に加わり、労働問題研究者・労働運動家と十数年ぶりの再会を果たした。

     その間に、現在の労働組合・ユニオンについて、“さまざまの憂い”の声が、こんなに広がっているのかという思いが、私の中に生まれてきた。

     かの昔、私自身は「日本国憲法に基づく労働組合選択権は人間の基本的権利である」という認識があった。しかしその当時は、会社内外の人たちの間では、「タブー」に近い認識だった。
     それから20年(いや30年か)、木下さんの本をめぐって、正当な議論が起こっていることを知った。
     さらにその当時から人文書・社会科学書、そのなかでの労働関係書(学生向けの労働問題書はもちろん)は目覆うばかりの出版状況であった。とにかく企業サイド(経営)からみると、そこにはマーケットがないという認識が強かった。

     『今崎暁巳さんと私』(PDF版)の折、インターネット上で出会った石井さんたちの本を「ある編集者のブログ」で紹介したら、多くの反応があった。いまでも「労働問題を学びたい」と思っている人が少なからずいることも分かった。

     「非正規労働者4割時代」といわれている現在、ただ採算ベースに乗るだけの部数が可能かどうか、不明だが。
     その意味で、以下のような「インターネット上のBOOK・書評の論点」を出しておくことも大事な作業ではないかと思った。



    追加2024.11.07

    『ルポ 低賃金』(東海林智著、地平社、2024年4月23日発売)

      本書では、闘う労働組合の道を、よくわかるプロセスで提起をしている。これも共鳴する。
    「闇バイト」→「漂流」→「61年ぶりのストライキ」→「非正規春闘」→「声を上げ、時給アップを獲得」→「非正規公務員」など。(飯島記)。


      ▽ブログにUP。
       

     私が関心をもったのは、一貫して底が抜けた日本社会のリアル:「現代に現れた非正規労働者の姿」を、労働記者として、事実として私たちの眼前に、提起していること。
     本の扉には、以下のように表記されている。
     >本書は、1995年の「新時代の『日本的経常』」を起点に急増した非正規労働者、そして結果として増大した低賃金で働く人々の現場を歩いたルポルタージュだ。
     昔ながらの工場労働者もいれば、漂泊を余儀なくされる若者たちもいる。
     そして、シングルマザーや農民、個人請負の宅配ドライバー……。働く人々の現場から、この安い国ニッポンのありように迫っていく。(本書「序章」より)

     発足時(1989年)の連合、全労連、全労協の組織加盟人員の減少だけが問題ではなく、新しい労働者の誕生を祝いあう関係が、現在では成立していない時代なのだ。
     1960年代末に労働現場に歩みを入れ日本型組合活動家と呼ばれた各地のメンバーは、企業別組合であっても、日常的に接した日教組・自治労、全日自労、地区労・県評などの地域の組合や国労・全逓・全電通などの3公社5現業、全国金属・全国一般・全自運・全自交などの闘う労働組合、新聞労連・民放労連・出版労連(当時は出版労協)、全印総連などのマスコミ関連労組を含めて、春闘を一緒にたたかった総評・中立労連があり、1970年代の国民春闘、スト権ストの時代に向かっていた時代とは違う。

     それを前提に考えて、今、何から「塊(かい)を進めるか」をルポルタージュから提起している。
     本書の目次を以下に添付した(継続して作業中)が、よくわかる提起で、共鳴する。
     「闇バイト」→「漂流」→「61年ぶりのストライキ」→「非正規春闘」→「声を上げ、時給アップを獲得」→「非正規公務員」など。
     さて、非正規労働者2000万人の中からどう出てくるか。さらに正規労働者から社会連帯労働者が生まれてこないのか。
     本書を読んで、若い世代が、まず自ら考えて、共鳴できるか、ご判断を。

     ◆著者:1964年、山形県生まれ。現在、毎日新聞社編集局社会部記者。一貫して労働と貧困・格差の現場を取材している。元新聞労連委員長、元MIC(日本マスコミ情報文化労組会議)議長。2008年12月31日から2009年1月5日まで開設された年越し派遣村の実行委貞を務めた。
     著書に『15歳からの労働組合入門』(毎日新聞社、2013年)、『貧困の現場』同、2008年)など。新聞報道で反貧困ャーナリズム賞、著作で日本労働ペンクラブ賞などを受賞。














    追加2021.07.2

    書評:大内 裕和、『最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし』

      『最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし』(後藤道夫、中澤秀一、木下武男、今野晴貴、福祉国家構想研究会編、大月書店、2018年10月15日)
     今、〈最賃1500円運動〉への期待が広がっている。地域経済を元気にする戦略など、その実現が切り開く社会への展望を示す。



     
       

     △本をクリックして大内 裕和さんのfacebookへ。





    追加2021.06.16

    書評:梁 英聖『闘わなければ社会は壊れる』

      待望の新刊、藤田孝典・今野晴貴編著『闘わなければ社会は壊れる―〈対決と創造〉の労働・福祉運動論』(岩波)について――「梁 英聖さんのnoteのページ」(2019/06/23 19:40)。


       

     待望の新刊が刊行されました。藤田孝典・今野晴貴編著『闘わなければ社会は壊れる―〈対決と創造〉の労働・福祉運動論』(岩波書店)です。

     闘わなければ社会は壊れる - 岩波書店
    なぜ運動が必要か.いかにして勝ち取るべきか.最前線から提起する,人々を救い社会を変える方法.
     www.iwanami.co.jp
     この本は極めて重要な問題提起をしています。そのことは編者両名による「はじめに」の次の書き出しを読めばはっきりするでしょう。
    ぜひ次の書き出しだけでも読んでほしいです(「はじめに」だけ無料で公開されています)。

     近年、日本では「対立」や「対決」を避ける世の中の風潮がある。社会運動による要求行動や、労使紛争は社会・労働問題を解決しない、あるいは問題を複雑にする「厄介者」のように扱われがちである。何かの不正を批判したり、具体的な権利要求をしようものならば、「エビデンスはあるのか」、「全体の調整を考えていない」、「社会に分断を招く」などとの非難にさらされる。
     今日、社会問題は、あまりにも政治家やエリートを中心とした「調整」や「政策」によって、社会の混乱を避けながら巧みに解決されるべきものであるかのように語られている。調整や政治に過度に期待する風潮からは、カリスマ的な指導者を待望する心理も透けて見える。こうした風潮は、市民・労働者を萎縮させ、要求すること、権利を主張することをさらに困難にしている。
     また、社会運動の側には、自らを「手続き」に従う無害で従順な主体であるとアピールする文化が根付いてきた。曰く、「企業や行政と敵対し、権利を主張するような運動はやりすぎだ」、「選挙や法律で定められた手続きに従うことが社会運動だ」、「誰も敵にしないように、わかり合っていくことが社会運動だ」。常套句は「言いたいことはわかるけど、やり方が良くない」というもの。
     「言いたいことはわかるけど、やり方が良くない」という常套句。一見するとより良い「やり方」を追求すべきだという良いアドバイスに見えるけれども、実際の内容は差別やハラスメント加害者、企業や政府といった強者との対立・対決を回避しないと誰もついてこないよというメッセージです。
     私も若い頃から幾度となく言われ続けてきましたが、この対決を避けようというメッセージは意外に強力です。学生など若い世代のアクティビストが頑張って社会運動に参加しはじめた途端、大学教員や識者や旧世代の市民運動家からいろんな形で投げかけられ、じつは上の世代に対抗的な若い世代による新しい運動の芽を摘む「おせっかい」といえましょう。

     書き出しから挑発的な本ですが、では、どんな問いを立てているのでしょうか? 編者たちは問いかけます。

     しかし、そのような現実、具体的な職場や市民生活における対立と対決を避けて、社会を変えていくことが果たしてできるのだろうか。
     対決と対立を避けて、社会を変えていくことができるのか――。
     根源的な問いです。
     もしかしたら読者のなかには、「とはいっても、みんなに嫌われる運動では結果も出せない」とか「政治家や官僚にある程度受け入れられる対案を出さないと世の中は変わらないだろ」とか疑問に思う方もいるかもしれません。
     当然の疑問です。編者の回答はどうでしょうか。

     どんなに「穏当」で、「妥協的」で「害がなく」、「合理的」な政策を知識人がアピールし、社会運動が無垢な「助け合い」を叫んでも、現に世論は後退し続け、求める政策は一蹴されている。だからこそ、ますます「もっと穏当な主張でなければ対立を避けられない」という意見が強まっていく。
     このように、要求や対立を避ける政策論議や社会運動は、現実への批判意識を後退させ、議論を常に「今よりも妥協的」な水準へと引き下げていく。その積み重ねの結果が、今日の閉塞状況に他ならない。
     ここ10数年の日本の歴史をみれば、欧米に比べてはるかに対決を回避した日本の運動は、自分たちが掲げる政策も実現できていない。それだけでなく「議論を常に「今よりも妥協的」な水準へと引き下げ」てきた。
     説得的だと思います。

     「じゃあ、対決すればいいのか」といえば、そうではありません。

     とはいえ、もちろん、やぶからぼうに「対決」や「対立」をあおり立てれば良いというわけではない。必要であるのは、制度・政策論からは導き出すことができない、福祉国家型の社会を実現するための「実践論」なのである。
    本書は「福祉国家型の社会を実現するための「実践論」」というわけです。

     本書はこのような問題意識から、福祉国家型の社会を実現するために、日本社会の現状、福祉実践についての理論、そしてこれからのあるべき社会運動について考えた一冊である。この巨大な課題に対し、本書は一つの試論に過ぎない。しかし、どのような社会運動が必要であるのか、いま、まさに考え始めることは、重大な意義を持つものと考える。
     私はこういう本を待っていました。日本は運動後進国なので、欧米(やブラジル、南アフリカ、韓国のような)運動先進国の常識が全く共有されていないからです。運動先進国の常識を前提として、日本で新しい福祉国家をどのようにつくりあげていくかという実践の書だろうと大いに期待しています。
     入手し、読んだ章から少しずつ批評していきたいと思います。
     早く読みたいのですがしかし…。アマゾンから買いたくはないのですが…。


     書店さんは、こういう重要な本がすぐ入手できるよう、工夫していただけますと幸いです。

     (6月26日夜追記:Honya Clubさんもオンライン注文できるようになったようです。一橋大学はじめ大学生協で注文する方はぜひ!)

     本書の目次は以下の通り。

     はじめに  今野晴貴・藤田孝典
     第一部 福祉運動の実践をどう変革するか?
     1 みんなが幸せになるためのソーシャルアクション――福祉主体の連帯と再編を求めて ……………藤田孝典
     2 ソーシャルビジネスは反貧困運動のオルタナティブか?――新しい反貧困運動構築のための試論 ……………渡辺寛人
     3 不可能な努力の押しつけと闘う――個人別生活保障の創造へ …………………後藤道夫
     第二部 「新しい労働運動」の構想
     4 新しい労働運動が,社会を守り,社会を変える ……………今野晴貴
     5 年功賃金から職種別賃金・最賃制システムへの転換――新しい賃金運動をめざして ……………木下武男
     第三部 ポスト資本主義の社会運動論
     6 経済成長システムの停滞と転換――ポスト資本主義に向けて ……………宮田惟史
     7 福祉国家論の意義と限界――七〇年代西独「国家導出論争」を手がかりにして ……………佐々木隆治
     おわりに  今野晴貴・藤田孝典

      執筆陣も目次も充実した非常に重要な本だと思います。

     ▽梁 英聖(リャンヨンソン)さん:『レイシズムとは何か (ちくま新書) 』(2020/11/7)、『日本型ヘイトスピーチとは何か: 社会を破壊するレイシズムの登場』(2016/12/21)他。
    1982年生まれ。東京都立大学卒。一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程。専門は在日コリアンへのレイシズム。政治家や極右のレイシズムを調査・分析する日本初のヘイトウォッチNGO「反レイシズム情報センター(ARIC)」の代表を務める(本データは『レイシズムとは何か』の書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)。


    追加2021.06.16

    「はじめに」(PDF版)だけ無料で公開されています

      


       



    追加2021.06.13

    書評:桜井善行『労働組合をどうする――その強化への挑戦』

      基礎経済科学研究所東京支部編、本の泉社、四六判、定価 1,500円+税、2020年3月26日)――『経済科学通信』(PDF版、2020年12月、No.152)。


       




    追加2021.06.13

    櫻井善行著『企業福祉と日本的システム』の紹介。

      
    櫻井善行さん(名古屋市立大学大学院経済学研究科研究員、愛知働くもののいのちと健康をまもるセンター理事・事務局次長)から本が送られてきたので紹介したい。
     『企業福祉と日本的システム――トヨタと地域社会への21世紀的まなざし』(ロゴス刊、2019年11月)。
     ▽「ある編集者のブログ」(2020年5月19日 (火))


       



    ▽追加2021.01.15

    【書評】『戦後史の中の国鉄闘争〔1987年~2010年〕』その2

        元国労組合員の久下格さんのfacebookより。
               

     久下 格(2021年1月15日)

    ●読み終わった!!●
     本文730頁、重さ1,133g。昨年8月、著者の森健一さんからいただき、線を引きながら、付箋をつけながら、折々に読み進めてきた『戦後史のなかの国鉄闘争』を読了しました。
     この本は、私が書きたかった本。絶対に書き残さねばならないと思いながら、しかし怠惰な私にはとても書けないと思ってきた国鉄闘争の記録です。それを、私の想像をはるかに超える内容と分量で書き上げてくれた森さんに心からお礼をもうしあげます。
     いわば、私の人生そのものを一冊の大著にまとめていただいたような気持ちすらしています。
     ありがとうございました。
     きちんとした書評を…と思うのですが、あまりにも書きたいこと、触れておきたいことが多すぎてなかなか書評がかけません。今はただひとつ、この本のなかにあふれている「ほんとうの言葉」について書いておきます。
     私は42年間国鉄労働組合員として生きましたが、その中で、一番うれしかったのは、闘いの局面で幾度となく仲間たちの「ほんとうの言葉」を聞くことができたことです。
     生きるなかで、人はたくさんの言葉を発します。しかし、その中には建て前だけの言葉、よそいきの言葉、しらじらしい言葉、そして嘘も多い。そんな中で「ほんとうの言葉」にはなかなか会うことができないものです。しかし、鉄道員として生きていく中で、私は幾度となく、仲間たちが発する「ほんとうの言葉」に触れて、そのたびに、そうだ頑張ろうと思い、そして、闘ってきてよかったという思いを噛みしめてきました。
     この本には、分割民営化という国家的不当労働行為との闘いの中で、仲間たちと家族が発した「ほんとうの言葉」、闘いのほんとうの姿があふれています。
     ひとつだけ引用すれば、718頁に、JRに不採用となった組合員に対して、分会が(そして分会長である自分が)強制してしまったのではないかという気持ちを伝えた分会長に対する組合員の言葉があります。
    -----------
    「委員長は間違っている。自分は無理強いされて国労に残ったわけでも分会の方針に従ったわけでもない。自分の意思で正しいと思ったから分会の方針に従ったのだ。委員長が自分に責任があると言うのは思い上がりだ」。私を痛罵したのです。二人の言葉はまさしく私の目からウロコをはがしてくれました。
    ------------
     それにしても…、内容に踏み込んだ書評はいつ書けるのだろうか? 書きます(キッパリ。…しかし…書けるかな?…笑い)。
    ●『戦後史のなかの国鉄闘争』(6,000円)購入は森健一さんまで。 kmori@po.synapse.ne.jp
    ----------------
    【『戦後史の中の国鉄闘争』目次】
    ●序章
    1) 人間の尊厳をかけた闘い 闘争団の記録
    2) 戦後の地域共闘の要としての国鉄労働運動
    3) 国鉄闘争の世界史的検討―ロストウの分析―
    ●第1章 1960年代後半の反マル生闘争から75年のスト権ストを挟み、国鉄の分割・民営化が俎上にあがるまで(1946年から1985年)
    1) 敗戦と復興期の国鉄労働運動(1946年から1960年)
    2) 高度成長期の国鉄労働運動(1961年~1975年)
    3) 第二臨調の発足、分割・民営化をめぐる攻防
    ●第2章 1986年の国労の分裂(修善寺大会)から2001年の「四党合意」まで
    1) 清算事業団闘争から36闘争団の結成(1986年~1993年)
    2) 2000年の「四党合意」とその破綻(1994年~2001年)
    ●第3章 2002年1月の鉄建公団訴訟、2005年の「9.15」東京地裁判決を経て、2010年「4.9」政治解決まで
    1) 2001年 闘う闘争団の結成
    2) 24年目の政治解決、国鉄闘争の終結
    ●終章 2011年、闘争団の解散、2020年、国鉄闘争を振り返って
    1) 労働委員会制度、司法による救済の回復
    2) 地域合同労組、地域共闘の拡大、地域の社会的再生へ


    ▽追加2020.08.13

    【書評】『戦後史の中の国鉄闘争〔1987年~2010年〕』

        元国労組合員の久下格さんのHPより。
               https://aoisora.org/index.html

     元高校教員で、自身長く労働運動に携わってきた友人から、『戦後史の中の国鉄闘争』という大変な本が届きました。1987年から2010年にいたる国鉄分割民営化反対闘争の経過を、関係者の証言を丹念に追いながら検証した貴重な記録です。
     
    久下さんのfacebookより。
      https://www.facebook.com/KUGE.Itaru/posts/1679626645524187

       


     何が大変かというと、まずそのボリューム。150mm x 210mm x 45mm。1,133g 。800ページ。超難敵です。私の手元には国鉄労働組合自身が作成した『国鉄労働組合70年史』 (168mm x 226mm x 60mm。1,595g。1,098ページ。)と『国鉄闘争・分割民営資料集』(230mm x 313mm x 64mm。1,015ページ。推定 3,000g。…家庭用秤では重量オーバーで測れん)もあります。この2冊は国労本部役員など大勢の人たちが編集にかかわっており、ページ数も大きさも、重さも(笑い)森さんの本より大きいし、資料として後世に引き継ぐための貴重な本に違いないのですが、森健一さんがたった一人で上梓された『戦後史の中の国鉄闘争』の方が、圧倒的に面白く、圧倒的に考えさせられる本です。
     何と言えばいいのか…、公式の2冊が国労本部役員の立場から書かれた無味乾燥な公式記録なのに対して、森さんの本には国労組合員、国労闘争団員と家族の肉声が溢れている。そして、闘いの方向を決めたさまざまな場面では、国労内に存在する各党派(「学校」と呼ばれる)のあいだで、どのような議論がされたのか、機関の幹部と闘争団員・家族がどのように考え、どのように発言し、どのように行動したのか、そうしたことを、当事者の肉声をできるかぎり丹念に収集して検証し、闘いの実相に迫ろうとしているからです。
     例えば、「JRに法的責任はない」などの「四党合意」を受け入れる闘いの幕引きが図られた2000年の臨時全国大会。『国鉄闘争・分割民営資料集』では【解説】として、休会の経過が5行書かれているほかは、提案された本部議案が掲載されているだけですし、『国鉄労働組合70年史』でも、大会じたいの記述は「(集約の最中に)警備係の壁を乗り越え演壇に上がる者が出てきたため、議事は10分間にわたって中断した。騒ぎは納まったが、これ以上の議事運行は不可能と判断した副議長は『議長判断で休会とする』と宣言するに至った。」などと、こちらも5行しか書かれていません。
     それに対して、『戦後史の中の国鉄闘争』には、翌日の新聞報道を含めると11ページにわたって大会の様子が記録されています。記述は大会会場前に詰めかけた闘争団員と家族が、会場に入ろうとする本部役員に激しく詰め寄る場面から始まっています。これによって、私たちはこの臨時大会が、執行部と代議員だけで構成されていたのではなく、幕引きに反対して会場前に詰めかけた千人の人びともまた、大会の当事者だったことを知ることができます。
     北海道音威子府闘争団家族会の藤保美年子さんの特別発言は2ページにわたって収録されています。「私たちの人生を勝手に決めないで下さい!」と本部に迫った発言は会場の空気を一変させ、受け入れを提案した側の本部副委員長上村隆志は壇上で「これで『四党合意』はなくなった、と思った。」とあります。もちろん、「四党合意」受け入れに賛成した側の「これは許されることではなく私はこれで国労は終わったと思いました」などの発言も採録されている。
     内容に触れだすと延々と続きますし、だいいち、私自身、大冊を読み始めたばかりではきちんと評することなどできません。しかし、大変だけど(ほんと…笑い)一人でも多くの人びとが読み、そして、一人でも多くの人びとが、今日の格差社会へと続く、歴史の大きな転換点となった国鉄分割民営化政策のことを知ってほしいと思います。
     国鉄闘争は42年間国労組合員であった私の人生そのものです。その人生をこんなに素晴らしい本にまとめてくださった森健一さんに心からお礼を申し上げます。

    『戦後史の中の国鉄闘争』は送料込み6,000円。購入は下記までメールで申し込んでください。
    【森健一さんのメールアドレス kmori@po.synapse.ne.jp 】

    -------------------------------------------------------
    【目次】
    ●序章
    1) 人間の尊厳をかけた闘い 闘争団の記録
    2) 戦後の地域共闘の要としての国鉄労働運動
    3) 国鉄闘争の世界史的検討—ロストウの分析—
    ●第1章 1960年代後半の反マル生闘争から75年のスト権ストを挟み、国鉄の分割・民営化が俎上にあがるまで(1946年から1985年)
    1) 敗戦と復興期の国鉄労働運動(1946年から1960年)
    2) 高度成長期の国鉄労働運動(1961年〜1975年)
    3) 第二臨調の発足、分割・民営化をめぐる攻防
    ●第2章 1986年の国労の分裂(修善寺大会)から2001年の「四党合意」まで
    1) 清算事業団闘争から36闘争団の結成(1986年〜1993年)
    2) 2000年の「四党合意」とその破綻(1994年〜2001年)
    ●第3章 2002年1月の鉄建公団訴訟、2005年の「9.15」東京地裁判決を経て、2010年「4.9」政治解決まで
    1) 2001年 闘う闘争団の結成
    2) 24年目の政治解決、国鉄闘争の終結
    ●終章 2011年、闘争団の解散、2020年、国鉄闘争を振り返って
    1) 労働委員会制度、司法による救済の回復
    2) 地域合同労組、地域共闘の拡大、地域の社会的再生へ





    ▽追加2020.07.23

    『時代へのカウンターと陽気な夢 労働運動の昨日、今日、明日』

         (小野寺忠昭・小畑精武・平山昇共同編集 社会評論社 2019年5月、2500円+税)


    「次世代へ 一時代を切り拓いた運動証言」(元東京都労働委員会労働者委員 水谷 研次、「現代の理論」20号)
      
    http://gendainoriron.jp/vol.20/review/mizutani.php



     70~80年代の総評労働運動を牽引・バックアップし、総行動や工場占拠・自主生産闘争、さらには地域ユニオンなど新たな運動形態や組織づくりを進めてきた活動家やそれを支えた理論指導者ら23人が執筆した久しぶりの労働運動関係書。「労働法」関連は雲霞のごとく多くの法学者が版を重ね出版しているが、肝心の運動当事者による書籍はどんどん減っている中で、これほど多くの活動家が執筆したこと自体が貴重と言える。

     ただ、自分もほぼ原稿が出そろってから依頼されたとはいえ、コラムを5頁近く執筆しているのでなかなか言いにくいが(苦笑)、自分を含めた執筆者のほとんどが70歳を超える男性であることが、労働運動の現況を表しているとも言える。もっとも、だからこそ意気軒昂でこのような書が出せるのだが…。

     小野寺忠昭、小畑精武という東京東部ブロックの地域共闘を牽引し、連合結成後はそれぞれ国労支援や自治労オルグとして最近まで現役だった2人と共に、ワーカーズコレクティブや労働者生産協同組合運動に加わり続けた平山昇の三人が中心となった編集だが、各運動分野で現場の運動を担ってきた活動家の証言として「明日」に残すべきものは何かを提起しようとした。

     それぞれの内容を紹介する余裕は無いので目次を添付しておく。

    第一章 東京東部の労働運動

    総評運動と地区労運動(小畑精武)/ 反合闘争と自主生産闘争(小野寺忠昭)/ 労働者協同組合の可能性─パラマウント製靴共働社(平山 昇)

    第二章 総評解体と闘う労働運動

    総評解体史分析から見えてくる日本労働運動の歴史的課題(川副詔三)/ 東京総行動と争議、自主生産(小野寺忠昭)/ 国鉄闘争と東京総行動(平賀健一郎)/ 国鉄闘争そしてユニオンへ(関口広行)/ コミュニティユニオンがめざしたもの(小畑精武)/*コラム「友愛と仁義と」(小野寺忠昭)

    第三章 企業別労働組合から社会的労働運動へ

    現代企業別労働組合批判と「関生型労働運動」(要 宏輝)/ まっとうな移民政策を─労働者が労働者として移動する社会へ(鳥井一平)/ 地域ユニオン運動の可能性─社会福祉施設の自主管理(嘉山将夫)/ 韓国の労働運動から学ぶこと─労働尊重社会の実現のための合同労組運動を目指して(須永貴男)/ 介護労働運動を社会的労働運動の中軸に!(中村 登)/ 社会的有用生産・労働の復活(都筑 建)/ 生協の労働組合─組合員パートさんの組織化へ(岩元修一/大場香代)/*コラム「一労働基準監督官から見える労働問題」(井谷 清)

    第四章 新しい労働運動の構想

    次は何か(小野寺忠昭)/ 時代は〝市民運動ユニオニズム〟─労働NPO、市民運動ユニオニズムの可能性(小畑精武)/ 健常者と市民社会と労働力商品化を止揚して(堀 利和)/ 新しい労働運動のいち構想(白石 孝)/ 労働者自主生産の可能性(志村光太郎)/ 社会的連帯経済と労働運動(平山 昇)/*コラム「減部に負けない『労働情報』」(水谷研次)

    第五章 労働運動への提言

    労働力商品化の止揚と『資本論』の再読─労働運動の再生と労働力再生産の視点(大内秀明)/ 『資本論』の社会主義論─「労働力商品化」廃絶ということの意味(鎌倉孝夫)/ 関生型中小企業労働組合の「産業政策」闘争─生コン産業における中小産別労働組合と事業協同組合の共闘(樋口兼次)/ 関生型協同運動に期待する(伊藤 誠)。総ページ数359頁。


     6月22日には明治大学駿河台校舎研究棟で「時代へのカウンターとコミュニティ型労働組合の展望」と題する出版記念シンポジウムも開催された。第Ⅰ部の鳥井一平、堀利和、白石孝、樋口兼次さんらと私も入ったパネルディスカッションはともかく、第Ⅱ部 の「労働力商品化の止揚と労働運動 」と題する鎌倉孝夫さんと大内秀明さんの講演は、その老いてますます盛んなパワーに参加者は圧倒された。鎌倉さんの資本論講義はともかく、大内さんは晩期マルクスへの高い評価とそれを受け継ぐウイリアム・モリスと宮沢賢治というお得意のお話しと、もうすぐ「脱・共産党宣言」を発刊されると高らかに語り上げた。

     若い世代の労働運動活動家がどう読んでくれるか、残念ながら「活字離れ」の昨今、期待は出来ないが、一時代を切り拓いた運動証言であることは間違いない。


    ▽みずたに・けんじ

    元・東京都労働委員会労働者委員(8期16年、1995~2011年)。1977~1991年まで江戸川区労協・墨田区労連オルグ。1984年初のコミュニティ・ユニオン「江戸川ユニオン」結成。初代事務局次長。1991年連合東京入局 一貫して企画担当、最後は副事務局長。2009年60歳で定年退職=再雇用により労働委員専念を選択。『知らないと損する労働組合活用法』(東洋経済新報社)を鴨桃代さんと出版。現在は『労働情報』誌編集委員など労働ボランティア。他には、朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会事務局長など





    ▽更新2017.10.17

    電通事件――なぜ死ぬまで働かなければならないのか』

         (北健一著 旬報社 1,000円+税)

    http://hatarakikata.net/modules/morioka/details.php?bid=356&cid=1

    森岡孝二の連続エッセイ - 第332回 書評『エコノミスト』2017年2月28日号
    ――NPO法人 働き方ASU―NET、労働者の働き方の改善、貧困・格差の是正に寄与します、 2017/9/2 22:19 。



    出版社:旬報社 2017年9月2日  定価 本体1,000円+税


     昨年10月に電通新入社員、高橋まつりさん(当時24歳)の過労自殺事件が公表された。その衝撃はいまだに収まらない。若者の過労自殺が続発しているなかで、この事件が大きな関心を呼んだのはなぜか。本書にはその答えがある。

     著者は、電通の歴史や世評を跡付け、元社員、現社員、弁護士、医師、研究者、監督官、過労死家族などに取材し、事件の全容をジャーナリストの目で丁寧にまとめている。

     この会社では1991年にも大嶋一郎さん(当時24歳)がひどい長時間労働とパワハラで過労自殺した事件があった。その裁判では、2000年3月24日、最高裁が使用者の労働者に対する健康配慮義務を厳しく問う画期的判決を出した。

     にもかかわらず、電通の長時間労働体質は改められなかった。そのことは、1951年に四代目社長によって定められた、「殺されても放すな」という文言の入った「鬼十則」を、最高裁判決後も、2016年まで社員手帳に載せてきたことからもわかる。

     高橋さんは2015年3月に東京大学文学部を卒業。4月に電通に入社し、インターネット広告部門に配属される。10月に本採用になってからは、担当部署の人員が大幅に減らされたこともあって、猛烈な長時間労働になり、うつ病を発症した。

     その月の残業は1ヵ月100時間を超えた。パワハラ、セクハラもひどかった。ツイッターやLINEに残された言葉によれば、高橋さんは男性上司から、「君の残業時間……は会社にとって無駄」「女子力がない」「髪がボサボサ、目が充血したまま出勤するな」などと言われた。

     広告業界に君臨してきた電通の経営も、デジタル領域のネット広告部門はうまくいかず、広告料の不正請求も発覚して、火を噴いていた。それが高橋さんの過重労働の負荷をいっそう大きくした。

     この事件は過労死防止法が制定され、「過労死ゼロ」に向けた国の取り組みが始まったなかで起き、最初の「過労死白書」が出た日に公表された。この事件では厚労省の監督責任も問われた。そのため強制捜査から書類送検に至る厚労省の動きも早かった。安倍首相も「働き方改革」の会合で、高橋さんの名を挙げ、「悲しい出来事」として、電通事件に触れざるをえなかった。

     しかし、働き方改革では、「残業代ゼロ」を拡大し、過重労働を助長する法案も出されている。安倍内閣が本当に残業規制に踏み出そうとしているのかを考えるうえでも、本書は一押しの本である。


    「日刊ゲンダイ」2017年10月16日――拙著がメディア(昨日発売の「日刊ゲンダイ」)で紹介されました。感謝。総選挙では、高プロと裁量労働制拡大のもくろみにも審判を下し、過労死ゼロに道筋をつけたいものです。


     

    https://www.facebook.com/kenichi.kita.18/posts/1752809091456644





    ▽追加2017.08.15

    劣化する雇用-ビジネス化する労働市場政策』

         (伍賀一道・脇田滋・森﨑巌 編著 旬報社 1600円)


    安倍「労働政策」に胸のすく反論
    ――評者=渡辺照子。レイバーネット、「週刊本の発見}第17回、2017/8/10。



    出版社:旬報社 2016年7月11日  定価 本体1,600円+税


     「印象操作」「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と、その言葉の軽さゆえに数々もの「名言」を発する安倍首相は、雇用法制においても言葉のインフレを発現する。いわく日本の労働規制に対しては「この岩盤規制に穴をあけ突破する」、法整備では「女性活躍推進」、提言としては「働き方改革」と、挙げていけばきりがない。そのいずれもが、実態と正反対の認識に依拠するものであり、実効性が極めて希薄か労働者の権利を剥奪するばかりのものだ。最近では、「非正規の時にはなかった責任感や、やる気が正規になって生まれていく」発言で、私のような万年派遣労働者を含む多くの非正規労働者の神経を大いに逆撫でしている。ただでさえ不快な今年の夏の蒸し暑さをいや増すその効果といったらない。
     その苛立ちを、労働者の権利を保障する立場から本書は受け止めてくれる。タイトルが示すように労働市場政策に焦点を当てている点が特徴だ。政策なのだから公的事業であるはずだが、そこを人材ビジネス業界にかなりの部分「委譲」させている点が問題だとの一貫したスタンスを示してくれる。
     元来、人材ビジネスは職業安定法や労働派遣法が定義する「職業紹介」「労働者募集」「労働供給」程度であった。それに加えて労働者の退職強要ビジネス、税金を財源とする「リストラ支援助成金」を収益するスキーム、といった具合に労働者の生き血を吸うような「ビジネス」も特化させた。
     今年の春、大手派遣会社の創業者の総資産が1,220億円にもなることが発表された。それはそうだろう、たいした「商品開発」のコストもかけず、商品の在庫管理やメンテナンスも必要ない派遣労働者からの上がりを1時間ごとに確実に「収益」できるのだから。そして、政府の規制緩和の大号令による企業が求める雇用流動化がそのまま派遣業界を潤す利権ネットワークに結びつき、その構造を益々強化させ多様化させてきたのだから、こんなに有望な「成長産業」は他にない。
     安倍政権も、これでもかとばかりに「働き方改革実現会議」「産業競争力会議や「規制改革会議」等、労働者を排除した財界主導の構成陣による各種見解を出している。それらの「会議」を一介の労働者がひとつひとつ検証・批判するのはほぼ不可能だ。その点、本書はもれなく網羅した後、問題の指摘をしてくれている。経営者寄り、派遣業界寄りの学者、シンクタンクのレポートの歯の浮くような派遣労働礼賛の言説が多く散見される中、ILO条約、憲法や各労働法、労働組合による労働者からのアンケート、政府の統計調査等、客観的で確たる根拠を有した裏づけで展開される反論には胸のすく思いだ。
     現行の雇用法制の立法趣旨と実態との矛盾、乖離を的確に言語化している点もありがたい。「はじめに」の項で伍賀氏は、派遣労働者の中でも短期契約の反復更新により同じ派遣先企業に勤務するパターンを「定着型」と命名している。日雇い派遣のような就業と失業を繰り返す「漂流型」と並び、実に適切なネーミングだ。派遣労働者として理不尽な扱いを受けるゆえ、悔しさのあまり「派遣法オタク」になった私にとって、「よくぞ実態をわかってくれた」とのカタルシスさえ覚えるフレーズだ。法令の条文だけながめても決して認識できない実態を類型化してくれたのだと思う。
     重要だと思う箇所をマーカーしているが、ほとんどのページが黄色になってしまった。
    *「週刊 本の発見」は毎週木曜日(第1~第4)に掲載します。筆者は、大西赤人・渡辺照子・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美です。

    http://hatarakikata.net/modules/morioka/details.php?bid=356&cid=1


    ▽追加2016.05.27

    グローバリゼーションと労働世界の変容』(田端博邦著)

         ――[評者]高橋伸彰(立命館大学教授) 


    書評
    [掲載]2008年02月03日  
    出版社:旬報社 価格:¥ 3,456
    BOOK・asahi.com

    http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011071703980.html

     


    ▽追加2016.02.21

    『組合潰しと闘いぬいた労働者たち』

         ――化学産業複数組合連絡会議30年の軌跡


    書評:『組合潰しと闘いぬいた労働者たち――化学産業複数組合連絡会議30年の軌跡』『労働情報』(794号・2010年7月1日)、評者・中岡基明(全国一般全国協)

     

    http://www.atworx.co.jp/works/pub/60.html




    追加2018.02.09

    『労働組合で社会を変える』松本 耕三(全港湾委員長)さん

    ▽twitter発信(2014年11月13日)

       @matsumotokozo

    *東部労組の石川源嗣副委員長の著作、「労働組合で社会を変える」を全国の組合役員・活動家にお勧めしたい。組合員の説得活動で苦労する組合役員・活動家にとって参考になる実例をもとにした指針が豊富に載っている。日常活動にすぐさま活用できる。
     本書は、石川氏がこれまで東部労組の機関紙などに掲載した小文章をテーマごとに分けて引用する形で構成している。エッセイ集を読むように、どこから読んでも面白い。一つ一つが短い文章なので、作業の休憩時間に手を取って読むことにも適している。組合活動家向けである。
     「第2部労働組合と職場闘争」で労働組合の日常活動の教訓が述べられている。「落ちるところまで落ちれば労働者は立ち上がる、というのは絶対にありえない」との一節。「落ちるところまで・・」とオルグをあきらめてきた役員、説得をさぼる言い訳にガツンと来る一言である。
     実は組合役員の多くが「労働者は落ちるところまで落ちなければ組合を必要としない」と思っている。明らかに間違いなのだが、納得しない。なかなか根深いものがある。本書は、具体的成果を上げてきた広島電鉄労組の経験を例にしている。コリをほぐすためには貴重である。
     日常活動の組合員の説得活動について、「一回あたって、これはだめだなと腹を立てるようなら、最初からやらないほうがいい。いったん狙いを定めたら何年かかってもいいというぐらいの根性であたること」。組合役員は根性がなければだめだという当然のことが、新鮮に感じる。
     本書は学校の教科書のように、一ページ、一ページ暗記しながら覚える必要はない。第1部では、労働運動の基本的な考え方、思想を日常活動に関連付けて解説する。第2部では労働組合の日常活動をエッセイタッチで実例をもとに書いてある。第3部ではインタビューのなかで、
    日常活動の経験が述べられている。学校で壁へ記したつめこみ学習はもうこりごりという人も、本書では、エッセイタッチの記事、マルクス主義の引用、インタビューなど様々な形式で労働運動の極意が語られている。読み続きていくうちに、自然とたたかい方が身についてくる。
     近年、労働組合の組織率は低下し、労働運動は衰退の一途をたどっているといわれている。しかし、一方で「残業手当も支払われない」「休みも取れない」職場で働き、ワ-キングプアなどと呼ばれる低賃金で働かせられる労働者が増大している。
     労働者の雇用と生活を守り、権利侵害を救済するための運動と組織、労働組合はますます必要な社会となっている。にもかかわらず、なぜ労働組合は減っているのか。答えは簡単である。困っている未組織労働者を救済することができないからだ。
     企業内組合だけで活動してきた役員こそ本書を読んでほしい。いまある労使関係は昔からあったものではない。先輩たちがたたかいとってきたものだ。今ある現状に甘えているならば、あっというまに大多数の未組織労働者と同じ状態になっていく。
     今つくられている労使関係だけしかわからない労組役員では、未組織労働者の面倒を見ることはできない。それは労働組合が衰退することだ。労働組合役員が、未組織労働者の問題を対応し組織化できる体制を作ることは急務である。
     長年、労働相談から組合作りを指導してきた東部労組石川副委員長の著書『労働組合で社会を変える』は、労働組合活動のイロハから世直しまでを勉強することができる実践的教科書だ。全国の組合役員・活動家におすすめの一冊である。
    注文はinfo@toburoso.org


    ▽追加2015.04.22

    『労働組合で社会を変える』管理職ユニオン・関西の仲村実書記長

    (「コモンズ」、2015.6.10-7.10号)


    *レイバーネットMLから

    http://www.labornetjp.org/news/2015/1437831199201staff01

     


     東部労組の石川です。
     管理職ユニオン・関西の仲村実書記長が「コモンズ」(2015.6.10-7.10号)に、 「本の紹介 『労働組合で社会を変える』(石川源嗣・著/世界書院「情況新書」 /1800円+税 03-5213-3345)」を書いてくれていますので、紹介し ます。
     
      「労働運動で社会を変える」という書物について

     この書物は、「本書は私の属する全国一般労働組合東京東部労働組合の活動についての報告と総括である」と“はじめに”で述べられています。内容的には、東京東部労組の活動を通しての石川さんの実践報告と組織活動の方向性と今後の視点といえます。石川さんは1942年生まれだから73才、私は67才、それぞれの人生をかけて労働運動を突っ走ってきた世代です。何を次世代に伝えていくかという世代です。

     東京東部労組初代委員長の足立実さんとは、私も親しくお付き合いさせていただきました。すばらしい指導者であり、大いに学ばせていただいた階級闘争派の大先輩です。そのすばらしい労働者魂の質を引き継ぎ、組織の量を発展させた中心が著者である石川さんたちです。
     「敢然と闘い敢然と勝利する」という東部労組の精神が、足立大先輩、石川さんらの世代、そして次世代にこれまた引き継がれています。この10年間程の地域合同労組、地域ユニオン運動では、注目され発展してきた労働組合の一つだと思っています。すでに多くの方々が、実践の書として評価されています。私も基本的には同じです。

     これまでの階級的労働運動、とりわけ地域合同労組や総評の全国一般運動などで強調された「職場活動と職場組織」、そのことを石川さんは“職場闘争”という形で意義と重要性として強調されています。  

     第2部“労働組合と職場闘争”の“第2章 職場闘争”の石川さんの主張に対して、私は少し異論があります。石川さんが、兵頭淳史氏から引用している「特殊な専門的職種」は、全日本建設運輸連帯労組近畿地方本部関西地区生コン支部(関生支部)のこと、大阪を中心とする近畿地方の生コン業界を指していると思います。この生コン業界での闘い、その関連としての圧送業界にも拡大している運動が「特殊」とされているところです。地域と業種・職種、産別への組織方針です。関西生コン型運動の評価と、それを学び、他の業種・職種、産別にどう普遍化の努力をするかという問題意識がないというのが残念に思うところです。

     第 1 部の“力の思想”

     地域合同労組、地域ユニオンの発展の可能性、展望・期待が様々な方から語られてずいぶん経ちました。「まだ脆弱の域を脱していない」と、「『コミュニティ ・ユニオン』の優位性を一般論として語る時代は終わっている」との石川さんの現状認識は同感です。

     その打開策として、東部労組の大量相談―大量組織化についての実践は優れています。この実践方針は大賛成であり、労働組合がとりわけ多くの中小零細企業に働いている労働者と接触しなければならないという観点から、大量相談がスタートであると思います。

     「憲法があるから団結権が保障されているわけではない」も同感です。私は「活用」論と言っていますが、団結組織、労資対等の団体交渉、対峙戦の行動と結びついた「活用する」活動です。相談に訪れた労働者に「労働三権は、私たちの先輩たちが殺され血を流し勝ち取ってきたものです。われわれはそれを活用するのです」というようなアプローチのしかたです。
     3章の「中小零細・非正規労働者と地域ユニオン」では、石川さんは厚労省統計を紹介し、「日本の労働者階級の下層を形成する中小零細企業と非正規雇用で働く労働者を合わせると4400万人(重複部分を含む)ほどで、日本の労働者全体の8割を超える」として、この層が地域合同労組、地域ユニオンの組織化のおもな対象としています。私も、この点は同感です。

     また全国の各種のナショナルセンター別の全国一般、地域ユニオンの組織人数をあげ、これらの総数が10万人前後としています。そして労働運動再生の戦略的課題として「大企業職場が資本に完全制圧されている以上、中小企業と非正規労働者が支配階級の弱い環を形成せざるを得ない。しばらくはここを主戦場として闘い、大企業に攻め上がるしかない」とし、「大量の中小零細・非正規労働者を労働組合に向かい入れ、全国に強大な地域合同労組、地域ユニオンを作り上げること」としています。これも同感であり、大賛成です。

     1981年1月、総評の組織・理論面に関わっていた清水慎三氏は、労働情報誌で『「日本の労働戦線の組織的空白地帯としての中小零細企業労働者群である」との認識を押さえて、「管理社会に対抗する人間的自立」に価値を置きつつ、労働者の自己主張を中心に連帯の輪を広げる「自立個人加盟労組」の創設』を提起しました。いわゆるゼネラルユニオン構想です。具体的な組織目標として、第2次、第3次産業で大卒高卒の35歳以下に照準を置き、戦前の個人加盟組合員の42万人を目標にと書かれていました。今から30年以上前のことです。

     その後、総評が解散し連合が結成されました。経緯はともあれ、ゼネラルユニオンとして地域合同労組、地域ユニオンの組織化の提起、取り組みは戦後労働運動の一貫した課題としてあったと、私は思っています。
     私はこの事の実践として、新しい要素として関西生コン型運動を重要な柱にすえるべきだと考え、小さな取り組みですが、管理職ユニオン・関西の中で職種グループの組織化を始めています。関生支部等が呼びかけた“労働運動の再生をめざす懇談会”の業種・職種交流会に積極的に参加しています。

     関生型運動は、反独占資本闘争として中小零細の生コン企業を協同組合へ組織し、労働組合が主導権をもつ組織化戦略です。中小企業経営者に対する業界協同組合への組織化と労働組合の業界・産別への組織化・共闘です。業界中小企業経営者との労働者への収奪に対する一面闘争、独占からの収奪に対抗する一面共闘戦略で す。

      “5 私たちの教訓”、“第4章 労働相談と労働組合”は、東部労組の実践報告が語られています。読者の皆さんも労働現場での活動に大いに活かせてもらいたいと思います。石川さんは、労働相談で現れる問題が「労働者のもっとも差し迫った、精鋭な反映であり、時代の最先端の労働問題が凝縮して出ているといえる。労働相談を通して日本の労働者の現状を知る意義は大きい」といいます。 ぜひ、 読みこなして応用してもらいたいと思います。

     第2部“労働組合と職場闘争”  

     “第1章 なぜ労働組合か”では、組合作りの経験が書かれています。 “第2章 職場闘争”、ここは石川さんに対して少し異論のあるところです。  

     職場で一人から複数へ、少数から多数への活動は当然必要であり、過去から行われてきたことであり、引き続き現場での闘争は活性化しないといけないと思い ます。

     私も個人加盟労組が、解決型労働組合で終ってはならないと考えて行動していますし、複数化のオルグ活動や職場闘争を軽視するつもりもありません。石川さん同様、職場闘争は重要だと思っています。

      “2 職場闘争意義”で否定的に書かれている箇所が、石川さんと私が大きく異なる点です。石川さんは、兵頭淳史氏の「組合の組織原理と労働運動再生への戦略的視点」から引用して、「この兵頭の認識と主張は、私たちの実感と合致している」(80ページ)としています。この部分は、私の異論の重要な部分ですので、以下、石川さんの引用部分を示します。本書の78~82ページです。

     『一部の研究者などには、そうした基盤として「職能」や「職種」に期待する見解もあるようです。しかし、今日の日本の産業社会において、「職能」や「職種」が、労働者の連帯の土台となる共通のアイデンティティを提供し、恒常的に経営者と対峙し交渉する単位を形成する条件は、労働供給を労働者集団自身がコントロールしうる可能性のあるようなごく限られた特殊な専門的職種を除けば、残念ながら存在しません。したがって、最終的にめざすべき労働組合組織のあり方が、個人個人が産業レベルの組織に加盟する産業別単一組織であるとしても、労働組合運動の再生・強化へむけてのプロセスにおいて、職場(中小企業においては、しばしばそれは企業と同義になります)に基礎をおく組織化・組織強化を迂回する道はありません。「企業別労組は好ましくない組織原理である」という命題から、企業や職場を単位とする組合組織や交渉ユニットは存在すべきではなく、これからの労働組合の基礎組織は地域や職種にのみもとづく組織であるべきだという結論を導く考え方が存在しますが、このような考え方は現実から遊離したものであることを認識しておくべきでしょう。』

     石川さんが、兵頭氏から引用している「特殊な専門的職種」は、先にも述べました関西生コン支部のことです。大阪を中心とする近畿地方の生コン業界を指していると思います。この生コン業界とその関連としての圧送業界にもこの運動が拡大しています。全港湾の大阪支部も中央レベルで雇用・労働条件で産別協定を業界と結んでいます。こうした関西生コン支部や、全港湾の実績・成果を拡大し普遍化する組織戦略こそ必要なのだと、私は思っています。

     関西生コン支部 を少し紹介しておきます。  

     組織の特質は、純粋な個人加盟ユニオンであることと、組合の決定権の所在にあります。関西生コン支部は「決定権をもつ統一的指導機関」であるとしています。欧米の労働組合もまた末端の組織ではなく、これらの上部の組織に執行権・財政権・人事権が集中しています。生コン業界全体の経営者を相手にして、強力な産業別統一闘争を展開していくことができるその組織的保障が、企業単位の分散性を排する支部の統一的指導性なのです。  

     第二は、関西生コン支部の運動についてです。ヨーロッパ型ユニオンの運動と同じように、企業横断的な労働条件を設定し、到達闘争から基準を業界の各企業がそろえることを強制させていこうとすることです。そのために集団交渉を行い、ストライキを展開してきました。職種別賃金という基準を設定し、これに各企業が合わせるようにさせるために集団交渉方式を追求してきたのです。  

     第三は、事業協同組合と労働組合との関係についてです。重層的下請構造や背景資本による個別企業の支配などによって、大企業の中小企業に対する収奪構造が存在します。また新規参入などによって過当競争が引き起こされ、そのなかで中小企業の経営基盤は極めて脆弱です。このような経営環境のもとで中小企業労働者の大幅な労働条件の向上をはかるためにはどのような方法があるのかという問題追求の結果なのです。大企業に挟撃される形の生コン業界が生き残るには、中小企業が結束する以外にないのです。その方法が中小企業協同組合です。関西の生コン企業は、協同組合をつくって「共同受注」と「共同販売」を追求してきました。ゼネコンからの生コンの受注は協同組合が共同して受けます。そして、協同組合が販売価格を設定して、ゼネコンに「共同販売」をします。これは独占禁止法に違反しません。

     関西生コン支部は経営者に生コンの安値販売を阻止するには、協同組合という方式によって「企業間競争の規制」を実現する以外にはないことを闘争と説得によって理解させてきました。一面闘争・一面共闘です。この経営基盤の安定によって賃上げの原資を確保することができます。その闘い・運動の結果が、今日の関西地方における生コン労働者の労働条件と社会的地位の向上をもたらしたのです。

     “第3部 労働組合を考える”では、金属機械労組港合同田中機械支部大和田委員長のことが取り上げられています。

      いまは亡き大和田幸治さん著の「企業の塀をこえて」(2001年12月発行) の中で、地域拠点活動の基本を述べています。『われわれのめざす地域合同労組と「地域ユニオン」と呼ばれている個人加盟の地域労組との違いは、拠点をつくるという方針をもっているかどうかというところにあります。たしかに地域ユニオンは、解雇だとか権利侵害とかに直面した労働者を救済するという活動をしています。しかし、それだけであれば、単なる駆け込み寺です。有効な戦略・戦術を立てて大きな敵に立ち向かったり、敵の攻撃の根源に向けて闘っていくことはできません。また、労働者個人の相談を受けていくと組織は何十人、何百人となっていくけれども、人数が増えれば増えるほど、オルグが一人のままだと組織を維持し、有効な闘いを組んでいくことができないという矛盾を抱えます』、『地域合同労組を「駆け込み寺」にとどめるのではなく、《闘いの砦》にするということです。一般的に労働組合の強さ・弱さは、主体的立場を堅持して活動するオ ルグの質と数、労働者の連帯感とその意識性、財政・統率力と闘争的結集力で判断できるといえます』とあります。

      石川さんと同様、駆け込み寺、解決型ユニオンにとどまらず、組織するユニオンとして大いに学ばなければとされているし、私も同感です。

      “第2章 御用組合と闘う”は、石川さんの豊富な体験には及びませんが、私も体験があります。大いに参考にすべきだと思います。

     “第4部 労働組合で社会を変える“  

     ここは、対談形式です。石川さんの東部労組加盟から専従書記長に、東部労組を一躍全国に有名にした大久保製壜闘争、労働相談活動が語られています。社会変革における労働組合運動の戦略の問には、組織内の労働学校でマルクス、レー ニンの活用、ストライキ闘争、ロシア革命や中国革命における闘争形態や組織形態から学ぶ必要性が示されていますが、具体的なカリキュラムは残念ながらよく わかりません。  

     今後の方向としては、「連合内部の良心的な仲間が力を持ち、闘いを起こし、労働者の利益を守ることのできる労働組合に変えることを心から願っています」と希望を語り、「支配階級の弱い環を形成している中小企業と非正規労働者の領域が主戦場」とされています。  

     労働運動の危機打開のカギと東部労組の経験から、「労働者の認識」「労働者の現状に合致した運動と組織」「労働相談活動」「職場闘争」の4つについて語られています。石川さんが全国に講演に引っ張りだこのエキスです。 労働運動の弱体、停滞局面にあって、中小零細企業での労働運動、非正規労働者 の組織化に活かし学ぶ点が多く語られています。とにかく読んで活用してくださ い。


    ▽追加2015.04.22

    『労働組合で社会を変える』石川源嗣著・水谷研次

    (『労働情報』2014年11月25日号、世界書院、2014年10月)

    長崎 広 ‏@nagasakihiroshi 125

    https://twitter.com/nagasakihiroshi

     <そして、石川さんは常に現場の虐げられても立ち上がる労働者と共にいる> 水谷研次さんの書評(『労働情報』2014年11月25日号) 『労働組合で社会を変える』石川源嗣・著/世界書院「情況新書」




    ▽追加2015.04.22

    熊沢誠さんの『私の労働研究』を紹介

    (「朝日新聞関西版」20154月21日、堀之内出版 、2014年12月25日)

    坂倉昇平

    @magazine_posse

     労働相談やってます。若者の労働問題・貧困問題に取り組むNPO法人POSSEが出版する雑誌『POSSE』編集長です。15年3月発売の『POSSE』26号の特集は「残業代ゼロ法案」。E-Mail:editor@npoposse.jp

     4月21日の朝日新聞関西版で熊沢誠さんの『私の労働研究』が紹介されています。「個人の受難を凝視することが体制の構造に接近する一つの道」。

     

    ▽追加2015.04.05

    書評:赤堀正成著『戦後民主主義と労働運動』 PDF版

    (御茶の水書房,2014年4月、5,000円+税)、大原社会問題研究所雑誌、№677/2015年3月、評者:五十嵐仁

     


    ▽追加2015.03.01

    高橋祐吉著『現代日本における労働世界の構図―もうひとつの働き方を

    展望するために』

    (旬報社、2013年12月25日)、大原社会問題研究所雑誌 №674/2014年12月、評者:下山房雄

     





    ▽追加2014.11.17

    現場の攻防から生まれた書~石川源嗣著『労働組合で社会を変える』を読んで

    北 健一 (ジャーナリスト)

    レイバーネット掲載 2014/10/22

    http://www.jca.apc.org/j-union/center/kanso.htmより転載。



     

    厳しい現場を踏んできた人の手になる労働組合論は、やはりおもしろい。ページを開くと、ぐいぐい引き込まれてしまいました。東京東部労組・石川源嗣さんの『労働組合で社会を変える』(世界書院)のことです。

    本書の魅力は、なんといっても、石川さんが仲間たちと歩んできた波乱万丈の経験、現場の攻防やその渦中の労働者の想いの活写にあります。

    たとえば産廃運送会社での組合誕生の瞬間。庸車と呼ばれることもある、車持ち込みの請負的関係で働いていた運転手を社員にするという。みんな喜んでいたら、実は1年間の有期雇用でした。更新期限が近づくと、会社は言います。更新してほしければ、労働条件を下げる----。

    有期雇用の更新時に「労働条件の不利益変更」を持ち出し、嫌なら更新しないぞと脅かす。労働法の教科書では「変更解約告知の問題」として説かれ、裁 判例の立場も分かれる難しい問題ですが、不安を抱えて集まった60人を前に、石川さんは組合結成を訴えかけます。「その時は、120個を超える目玉でみん なの視線が僕に突き刺さってくるんですよ。チリチリするような」

    東部労組ならではの「その後」は本書を読んでほしいのですが、石川さんたちの運動を貫く代行主義批判とか、「度胸」「人情」「腕づく」が、「力を忘れた労働運動」への厳しい指摘と併せ、すっと理解できます。

    もっとも、石川さんのいわれる「階級観点」や連合評価については、私は違う意見(というよりスタンス?)を持っています。経営者の攻撃に勝つための 理論武装の「核心問題が、労働者と資本家の利害は対立している、資本家に幻想を持つな、階級闘争で解決するという階級観点にある」という枠組みでこんにち の労働組合運動を位置づけるのは、無理があると思うからです。労働条件の労使対等決定とディーセント・ワークは、階級闘争モデルに立たなくてもめざせるの ではないでしょうか。

    他方、本書のメッセージで特に考えさせられ、共感したのが、職場闘争の再評価です。産別や個人加盟を重視する論者の一部には職場を軽視する傾向があ り、その方が先進的なようなイメージもあります。しかし石川さんは、東部労組の経験に加え、ドイツ産別労組についての論文など最新の研究成果とも対話しな がら、「職場闘争の新しいとらえかえしが必要」と主張します。

    「カギはやはり地域合同労組・ユニオンの強化にあると思います。そしてそのユニオンの強化の内実は、ユニオンを構成する最も基礎組織である職場支部(労働組合)の拡大強化に行き着きます」

    企業主義を警戒するあまり、企業内の組織化をあきらめるのは本末転倒ではないのか。いろいろ異論もある論点ですが、労働条件が決まる基礎的な場で労働者が手をつなぐことの大切さが腑に落ちます。

    巻末に収録したインタビューが伝える、一人の青年が工場に入ってフライス工になり、労働者の信頼をつかんでいくプロセスも感動的です。たとえば、江 東区内の工場で若き日の石川さんが最初に組合結成に参加し「丸裸で決起したので、いいようにやられてしま」った悔しい経験は、東部労組による組合(職場支 部)結成に活かされているのでしょう。

    『労働情報』の前田裕晤代表は、本書の帯に「労働運動関係者には必読書」と書いていますが、たしかにそう思います。この厳しい時代。心に太陽を失わず、労働運動の現場で頑張っている多くの人の手に取られ、社会を変えるための議論に一石を投じることを念じています。

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    ▽追加2014.08.03

    西谷敏先生の『労働組合法 第3版』を読む

    2013年01月15日

    弁護士 出 田 健 一



     第2版刊行後6年を経て、昨年12月に西谷敏先生の『労働組合法第3版』(有斐閣)が出版されました。
     同書の「はしがき」にもあるとおり、主な改訂箇所は労組法上の「労働者」概念に関する部分(同書77頁以下)と「使用者」概念に関する部分(149頁以下)です。いずれも当協会の会員が取り組んだ事件に関係しますが、前者は三つの最高裁判決が出て判例命令の前進面が顕著です。これにつき、「新たな最高裁判決の結論そのものは広く支持されているが、判決がいずれも事例判断にとどまっていることもあって、理論的な決着にはほど遠い状況である」として、著者は労組法3条の「労働者」は憲法28条の「勤労者」と基本的に同義で、「その意味内容と範囲は、基本的には憲法28条の趣旨から導かれるべきである」として、全逓中郵事件の最高裁大法廷の判旨も引用しながら、「使用者(労務供給の相手方)との関係で社会的経済的に従属的な地位にあり、そのために労働基本権の保障を必要とする者」と定義し、最高裁判決や労使関係研究会報告を批判的に検討されています。これは「経済的従属性」を基準とする説です(先生の『労働法』459頁も参照)。
     一方、「使用者」概念についての判例命令は複雑です。派遣・下請関係や偽装解散・事業譲渡の場合には相当の前進面が見られますが、関西航業事件・大阪証券取引所事件や近年の高見澤電機製作所事件のような支配企業の使用者性をめぐる判例命令は、派遣・下請型に関する朝日放送事件最高裁判決の判断方法を形式的にあてはめて、支配企業が従属企業の労働条件等の具体的決定に関与することを求めています。先生は、「支配企業が、株式所有、役員派遣その他を通じて従属企業の経営全体に支配的な影響を及ぼしている場合には、・・・支配企業が従属企業と重畳的に使用者となることを認めるべきである」といわれます。ここは旧版にあった「間接的」「実質的」影響という文言がないので一瞬無限定ではないかと感じましたが、代わりに、158頁で義務的団交事項や「誠実」交渉の程度は支配の内容、程度に応じて異なると限定されているので、この相関関係に注意して読む必要があると思います(この理解は本書注29引用の竹内(奥野)氏の論文129頁を参照しました)。なお、経営協議会を利用した複数組合間差別の例として本書でも引用していただいたNTT西日本事件は、種々の理由で被申立人としなかった持株会社が主導し、東西NTTが同席する東京で開かれた中央経営協議会が舞台で、持株会社の使用者性が隠れた、しかし重要な論点でした。その経験で申しますと、理論とは別に弁護団・労働組合の証拠収集・立証の工夫の問題もあります。理論・実践の両面にわたってここを突破するのが次の大きな課題です。
     本書では国家公務員労働関係法案等、公務員の労働基本権の展望(73頁)や大阪市に見られる公務員と不当労働行為に関する記述の補充もされています(158頁)。その際、「行政改革」・民営化と国鉄・電電公社を含む官公労働者への攻撃(35頁)の箇所はもちろん、是非とも第1章全部を読まれることをお勧めします。
     これは何も公務員の問題に限られません。本書初版の「はしがき」に書かれたように、本書の基本的特徴は、①労働組合法体系の頂点に位置する憲法28条の労働三権を重視していること、②労働基本権の理解において、その自由権的性格をふまえつつ、全体としてそれを労働者の関与権として位置づけていること、③労働者個人の自由意思を尊重する立場から、そうした自由意思が制限される場合にその根拠(正統性)の明確化が要求されるという点にこだわっていることにあります(③は組合民主主義と統制処分の根拠、労働協約の不利益変更とその限界、ユニオンショップ等の諸問題の考察の際に関連)。その真髄を把握するには第1章をよく理解することが必須です。
     「憲法28条は『労働組合法』のアルファでありオメガである」(第1節)。それを知るには内外の長い歴史を振り返る必要があるとして、第2節・第3節で詳述されています。北港観光バス事件異議審で強力なヒント・確信になったのもワイマール憲法118条1項(263頁)から説き起こす著者の鋭い論述でしたが、今回正月に読み返して改めて感銘を受けたのは、第3節の大正デモクラシーと労農運動の高揚→戦前の農商務省・内務省・政府の労働組合法案と末弘厳太郎博士らのワイマール・ドイツ労働法の研究→戦後の労働改革と終戦の年の年末に早くも自らの力量で作成できた旧労組法→憲法28条の作成という一連の歴史過程の人的担い手・内容面の連続性・発展性の指摘です(旧労組法までの条文の資料として、さしあたり東大労働法研究会『注釈労働組合法』上巻参照)。その後の占領政策の転換による公務員に関する諸法の制定と労組法改正・・・とずっと続いて現在の情勢と法現象に至る訳です。これは他に類を見ない日本国憲法の労働条項の優れた教科書でもありますし、「GHQ押し付け論」に対する雄弁な反論です。憲法問題を考える際にも必読文献だと思います。
     現行労組法制定時には55.8%の労働組合組織率がいまや20%を切り、争議行為件数85件、半日以上の同盟罷業(ストライキ)が年間38件?!、労働組合がある事業所で労使協議機関を設置するのが 83.3%という困難な状況下で(すべて本書に統計資料が引用されていますのでお探し下さい)、著者は「労働組合とは何のために存在するのか、憲法28条はなにゆえにすべての勤労者に労働基本権を保障したのかを問い続け」ます。それは憲法前文、11条、97条等が強調する、過去現在未来にわたって「侵すことのできない永久の権利」の呼びかけです。多くの方々が本書を学習し、明日の糧にしていただきたいと思います。

     有斐閣2012年12月発行
     A5判並製カバー付536ページ
     定価 4,305円
    民法協で特別価格にてお求めいtだけます。

       〔出所〕http://www.minpokyo.org/journal/2013/01/2188/

    ▽追加2014.06.09


    書評:『雇用が危ない――安倍政権『労働規制緩和』批判』(西谷敏ほか、旬報社、『国公労調査時報』6月号、評者:浅尾大輔・作家、2014年06月06日)

    いま発売されている『国公労調査時報』6月号に書かせていただきました。
     副題は「安倍政権『労働規制緩和』批判」。

     8人の学者・研究者による論文が掲載されていますが、
     私は、和田肇氏(名古屋大学教授)の、

    「私たちに残されている途は、アベノミクスの雇用改革の内容を検討し、おかしな点を明確にし、そして学問的な世界での論戦に挑むことである。審議会等に入っている学者も、こうした議論と真摯に向き合うべきであろう。私たち学者の価値は、いつの世にも、政治権力への近さではなく、知的誠実さにあるのだから」(P96)

     という言葉に励まされました。

     というわけで、今日は、大雨だし、

     図書館に来るの遅くなったし、

     夏目漱石『心』の連載は明日に回して(笑)、今回の書評をアップしておこう。

     なぜならば、
     私は、日本国憲法の根本にあるという「個人の尊厳」に対し、
     大いなる疑念があるからだ……。

        〔出所〕 http://blog.livedoor.jp/asaodai/archives/52290944.html


    ▽追加2014.06.02

    西谷敏ほか著『日本の雇用が危ない-安倍政権「労働規制緩和」批判(旬報社、2014年)
    民主主義科学者協会法律部会


    2013年初頭より、「世界で一番企業が活動しやすい国をつくる」とのキャッチフレーズのもと、規制緩和の重要な柱としての労働規制緩和政策が総合的重層的に展開された。こうした状況に応え、『日本の雇用が危ない 安倍政権「労働規制緩和」批判』(旬報社、2014年3月)が刊行された。本書は、以下の内容で構成されている。

    ①西谷敏「全面的な規制緩和攻勢と労働法の危機」、②五十嵐仁「第二次安倍内閣がめざす労働の規制緩和」、③和田肇「質の悪い雇用を生み出すアベノミクスの雇用改革」、④田端博邦「産業競争力会議ペーパー批判」、⑤野田進「限定正社員の法的位置づけ」、⑥萬井隆令「労働法理への叛旗」、⑦脇田滋「『ブラック企業型労使関係』ではなく、働く者に優しい労働政策を!」、⑧深谷信夫「自由な企業活動と日本国憲法の原理」、⑨深谷信夫「安倍労働規制改革 政策決定糧の記録」、⑩規制改革関係資料。

    このように、「本書一冊で安倍政権の労働規制緩和の全体像が把握できるように作られている」(西谷「はしがき」)。だから、「ともかく本書を読んでほしい。そして、『アベノミクス』、『競争力強化』、『経済成長』の名のもとにどのような事態が進行しようとしているのか知ってほしい。そのうえで、それをどのように判断しどのように行動するかは、まさに労働者・労働組合自身の問題であり、労働に関心をもつ人びとの問題である。」(同前)。

    以上に尽きるのだが、一言。

    働く人びとの、それはほぼすべての国民であるが、労働の場が根底から壊されようとしている。2014年も、労働規制緩和政策は、より具体的に、展開されている。キャッチフレーズこそ、「働く人と企業にとって世界でトップレベルの活動しやすい環境の実現」と微温化された。しかし、現実には、「解雇特区」の再登場と、「残業代ゼロ」と批判される労働時間規制の緩和などである。

    この現状を、理論的な問題も含めて、明らかにすることは、最初の一歩である。安倍労働規制緩和を批判し続けなければならない。しかし、批判だけでは、建設への道は拓けない。本書の先に、なにを提起するかが、残された最大の課題である。どういう労働の世界を創造するのか。『里山資本主義』(角川書店)が描き出す新しい日本の姿のように、マネー資本主義と決別した労働の世界を描くのか、である。 
                                    深谷信夫 (ふかや・のぶお)

    西谷敏・五十嵐仁・和田肇・田端博邦・野田進・萬井隆令・脇田滋・深谷信夫著『日本の雇用が危ない-安倍政権「労働規制緩和」批判』(旬報社、2014年)
    (クリックすると、旬報社のHPに移動します。)

    [2014年6月1日掲載]


     インタビュー:政治の在り方に影響与えた 大佛次郎論壇賞を受賞して 「ブラック企業」今野晴貴
    [掲載]2013年12月24日

     


    〔書評〕『15歳からの労働組合入門』(東海林智著、毎日新聞社、1400円・税別)

     

     1 レイバーネット(2013.12.25)、体当たりで聞き一緒に泣いた!(北 健一(ジャーナリスト)


     〔書評〕熊沢誠著:『労働組合運動とはなにか――絆のある働き方を求めて』、岩波書店、2100円+税

     

     1  森岡孝二さんの書評、森岡孝二の連続エッセイ - 第229回(「週刊エコノミスト」2013年5月28日号)
     2 「ひとりのため」原点を確認、東京新聞(2013年3月24日、鎌田 慧・ルポライター、著書『国鉄処分』『ドキュメント労働者!』など)。


    西谷 敏 著『人権としてのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)』

    評者・弁護士  大江  洋一

     西谷さんが一般向けの本を出版したことはこれまであまり知らない。一般にはこのような書物は肩肘を張らず、悪くいえばやや程度を落として書かれるものだろうという先入観を抱きつつ読み始めたが、読み進むにつれ、その予想は見事に外れた。本書の内容は専門書・体系書に全くひけをとらないものであり、むしろ学者の議論の冗長(!?)な部分をそぎ落とし、鮮明な問題意識をもとにそのエキスの部分を凝縮した密度の濃いものであった。

     冒頭の第1章で、まず労働が人にとってどのような意味を持つのかというところから説き起こす。マルクスやフーコーなどを引用しつつ、「それは苦役なのか、生き甲斐なのか」と問いかけている。そして「労働には本来労働者に喜びを与える側面と苦痛を与える側面とが含まれており、条件次第でいずれかの側面がより強く意識される」としたうえで、「法と政策の課題は、労働ができるだけ多くの労働者に、できるだけ多くの喜びと生きがいを与えるような客観的な条件を作り上げることである」と結論付けている。
     そう言えば、若いころ、労働法研究会の機会に西谷さんが「本来労働は人の喜びであるはずだ」と口にしていたことがあった。それ以後も、『労働法における個人と集団』や『規制が支える自己決定』などの労作をはじめとしてこのテーゼが一貫して追求されており、労働法学者としての根本的な問題意識がここにあったことをあらためて知った。

     それとともに、この時期にこの書物にかける西谷さんの意気込みが痛いほどよくわかった(と勝手に思った)。

     しかし、その西谷さんの思いは果たして今の社会において活かされているのだろうか。

     本書を読み進む中で、私には、西谷さんの怒り、嘆きが痛いほど感じられた。西谷さんの議論の立て方は、いつも心憎いほど行き届いたもので、緻密で考え抜いた議論を展開し、異なる見解も公平に正面から取り上げたうえで、ディーセント(研究社の英和辞書では「穏当な、慎みのある、上品な」という意味が先ず記されている)な立場から丁寧な反論を加えるというもので、それ故にこそ立場を超えて幅広く受け入れられ、労働法学会をリードしてきたと言えるのだが、本書においてもそのディーセントな姿勢は貫かれていることはいうまでもないものの、その言葉の背後に、この現状への激しい怒りの焔を痛いほど感じたのである。
     ディーセント・ワークの権利を保障した憲法から説き起こし、丹念に資料を拾いつつ、それが国と社会に求められる責務であったのに、特に平成期不況以後の状況は、戦後65年の歴史の中でも特別に複雑で困難な状況下に置かれており、今ほど憲法制定以来の課題であったディーセント・ワークが重要な意味を持つ時期はない、と断じている。

     そのうえで、ディーセント・ワークの条件、という視点から、安定的な雇用と公正かつ適正な処遇という整理をしつつ、労働法の全体像についての西谷説を展開している。

     ここでは、これまで学者として自らに課してきた法を取っ払って、思うところを自由に飛翔させているように感じられる。それぞれ実に内容豊かで心を打つ議論である。たとえば労働と人とモノの関係を論じる箇所である。労働を商品と捉えたことは、実は歴史的には進歩的側面からの議論であり、そのこと自体はまだ今日の日本では現実にも重要であることを押さえつつ、労働者は「労働は売っているが魂までは売っていない」ことを絶えず明確化することが不可欠だと指摘する。思考の幅と奥行きがあり、バランスが取れているのだ。

     この本論部分は最新の判例や議論を踏まえており、コンパクトな労働法の教科書として充分に通用するものである。最近は労働事件もなく不勉強であったわが身にとって、いい勉強をさせてもらった。

     読み終えると、本書は、西谷さんがこれまでの半生を捧げてきた労働法を切り口にして、学者というより一人の人間として、人生の総決算という熱い思いが込められたものだとの思いが一層強まった。たまたまご本人にお会いした時、「白鳥の歌ですね」と言ったら「俺を殺す気か」と返されたが、西谷さんの怒りと嘆きと、ともすれば諦めにも近い思いも漂わせつつ、しかしなおこの時代を生きざるを得ない若い人たちに、未来を切り拓く期待と希望を込めて手渡すものと言えば言いすぎであろうか。

    出版社 旬報社
    発行日 2011年1月20日
    定 価 2100円
    四六判上製/357頁

    民主法律協会のHP
    http://www.minpokyo.org/books/page/2/


     〔書評〕 『格差社会にいどむユニオン』(木下武男著)
     

      木下武男のページ  (別のページ 2014.03.01)

     
     

     1 五十嵐仁(PDF版)
     2 熊沢誠(PDF版)
     3 野営地(PDF版)
     4 なんぶユニオン(PDF版)  (以下のアドレスが変更されています。2014.02.17))
       http://blogs.yahoo.co.jp/tatakau_yunion_okinawa/8222383.html
       
     5 水口洋介・夜明け前の独り言・弁護士(PDF版)

     [書評]『現代労働問題分析』(石井まこと・兵頭淳史・鬼丸朋子編著)

      

     1 石川源嗣(NPO法人労働相談センター/全国一般東京東部労働組合/全国一般労働組合全国協議会/ジャパンユニオン)
     2 山垣真浩(大阪経済法科大学准教授) 
     3 井上 久(全労連事務局次長)  2011.12.27
     4 石井まこと(大分大学経済学部教授)2012.05.08 new

     
     ▽追加2012.08.26

    『新自由主義批判の再構築』(赤堀正成・岩佐卓也 編著、法律文化社、20108月、3,150円(税込))の紹介文を書くことを忘れていた。
      同書は、「ポリティーク」(旬報社)で論陣を張ってきた木下武男・後藤道夫の議論を批判している。
      論点は、戦後の「日本型福祉国家」をどう見るか、「企業社会の特殊性」とされる「年功賃金」や「終身雇用」が差別や格差の根源……。また日本は福祉国家でなく、「開発主義体制」「官僚主導国家」であるとする主張である。日本においては新自由主義を批判しているようで、実は新自由主義路線を推奨する理論と共鳴している――と。  

     編集者としてのスタンスは、ヨーロッパを調査・訪問した事実から見ると、「左翼」政党主導型で福祉国家が作られたのではなく、イタリアの場合ではコミュニティ(キリスト教をベースにした)民主主義、CGIL、CISL、UILなどの労働組合による産業民主主義、憲法に書かれた協同組合(レガなどの生産協同組合、社会的協同組合)などの複合的な形成力からだ。だからやっぱり、地域でNPOや労働組合運動、ワーカーズコープをやろうとする青年(女性)を育てる方がいいと思っている。

     ある大学院の社会人コースで勉強し始めた友人に「ヨーロッパで新福祉国家づくりなど議論している運動があるんですか」と聞いたら「憮然とされた」ことがある。もっと「青年の社会的排除」「コミュニティにおける障害者の就労」など具体的に勉強したらどうかとアドバイスしたが、その後そのような論文は送られてこない。

     しかしそのヨーロッパが、金融・サービスの多国籍企業群にひっちゃか、めっちゃかにされている。

     年功賃金論については、また検討したいので、同書を紹介・批判している文献よんでほしい。

     1980年代に「新しい福祉社会の創造」をめざした故菅野正純(協同総合研究所主任研究員)の議論を整理してみる宿題がある。(リンク先は京都大学名誉教授・池上惇先生の追悼文)
     甦る菅野正純さん(元協同総合研究所主任研究員)の思い
     故・菅野正純さんの仕事と私(飯島信吾)


     [書評]『新自由主義批判の再構築』(赤堀正成・岩佐卓也 編著)

     

     1 高橋 祐吉(大原社会問題研究所雑誌 №633/2011年7月)
     2 佐野修吉  (『新社会兵庫』2010年11月23日)

     3 野営地にて――あるいはレーニンがクラシックを聴かないこと。(2010年10月04日)
     4 たんぽぽコーヒーブレイク――熊本の弁護士寺内大介(2011年9月26日)
     5 雑誌『前衛』  (日本共産党発行、2010年12月号)  2012.07.04 new

     

     ▽追加2012.09.02

    久米郁男:「日本型労使関係」賛美論を批判する――「五十嵐仁のページ」(別のページ)

       
     編集者がその研究者・作家・ライターさんの出版物をつくるとき、まず「なぜ今出すのか」「売れるかどうか」という社の企画会議をクリアしなければならないが、最低限、著者の研究レベル、類似の出版物の動向、レジュメ(コンテンツ)検討、などの作業をしなければならない。
      原稿が上がってきたときには、書かれている内容の吟味、間違い、他の著者の主張点との関係などを勉強して、OKを出すように出版社の編集者ならばする。
      私が五十嵐先生に「久米さんたちの本づくりに編集者がかかわっていないのですかね。めちゃくちゃですね」とメールしたら、怒ったように“「めちゃくちゃ」なのは、編集者ではなく、久米さん自身の主張でしょう。編集者もお手上げなのではないでしょうか。久米さんの本に対して、私以 外、組合活動家を含めてほとんど批判の声が上がらなかったのは大変意外であり、ガッカリしたものです。”と書かれてきた。
     その本が、久米郁男『日本型労使関係の成功』(有斐閣、1998年)、水口憲人・北原鉄也・久米郁男編著『変化をどう説明するか:政治編』だ。

     
    昔、「五十嵐仁の転成仁語」に10回分に分けて連載し、「表題は次のようになっています。①日本の労働者の賃金について、②1990年代における日本の労働者の賃金について、③日本の労働者の労働時間について、④失業率と雇用保障について、⑤デュアリズム論の検証、⑥時期区分の問題性―「新自由主義的攻勢」への無視、⑦「権力資源」論と「政治的機会構造」論、⑧残されたいくつかの疑問点、⑨「日本型労使関係」は「成功」しなかった、⑩何故このような研究が生まれたのか。」と書かれている。   「日本型労使関係」賛美論を批判する――久米郁男『日本型労使関係の成功』についての批判的論評[政治経済研究所『政経研究』第73号(1999年11月)]

     何故、90年代の大変化を真正面から説明しないのか?――水口憲人・北原鉄也・久米郁男編著『変化をどう説明するか:政治編』についての若干のコメント 
     「日本型労使関係」賛美論への総括的批判――久米郁男『日本型労使関係の成功』を手がかりに、『労務理論学会研究年報』第10号(20001210日)
     五十嵐仁先生から「この論文については、すっかり忘れていました。これは、日本労務理論学会の第10回全国大会での共通論題「メガコンペティション下の雇用・労働問題の変容(1)競争と管理」での報告です。そ の後、『労務理論学会研究年報』第10号(20001210日)に掲載された、と連絡があり、UPした。
     「五十嵐仁のページ」(論攷編)には、もう1本、下記の書評もある。
     久米郁男『労働政治』『大原社会問題研究所雑誌』No.5625632005年9・10月号)

    ▽2014.08.04追加

    年功賃金・性差別賃金・同一価値労働同一賃金などの論点

     この20年間の日本における賃金問題は、賃金水準、最低賃金制から年功賃金、女性賃金(性差別賃金論)、非家族賃金論、非正規賃金論など、さまざまの問題が生起している。その割には、研究者や労働組合運動家の側は、反撃のイニシャチブを取れていない状況は、目に見えている。

    ▽ 木下武男のページ  2014.08.04
    問答:「賃金制度の転換」なるものと賃金の考え方(Vol.1)――“人事制度改革攻撃”に負けない開放的で明確な賃金論を持つために、法政大学・木下武男、全国金属機械労組大阪地方本部発行、B5判、87ページ
     Ⅰ なにゆえ、賃金制度の「大転換」なのか
     Ⅱ 職能資格制度・職能給の転換とは
     Ⅲ 業績・成果にもとづく賃金制度なるもの
     Ⅳ 「職階制成果主義賃金」が成立する基盤
     Ⅴ 「みんなが能力アップ」の技能養成方式は不要
     Ⅵ 賃金決定の自由化
     Ⅶ 賃金の考え方―賃金は人の属性を基準にして決めるものがいいのか、それとも、従事する仕事の種類、内容を基準にして決めるのがいいのか
     Ⅷ 賃金のグローバル・スタンダードとは
     Ⅸ 登場した賃金制度とは――日本型職務給について考える 1
     Ⅹ 日本型職務給について考える 2

     小越洋之助さんのホームページをUPしたが、「年功賃金と性差別賃金」、「雇用壊し・賃金壊しー市場原理主義者の論理とその問題点」、「成果主義人事の理念と現実」などを読んで、資本の意図、労働側の対応、研究者側の見解を学びあってほしい。

       「年功賃金と性差別賃金」『研究機構インフォーメーションサービス』No.73、自治労連・地方自治問題研究機構、20071
    『日本人の賃金』(木下武男著、平凡社、1999年8月、 平凡社新書)
    『日本の性差別賃金――同一価値労働同一賃金原則の可能性』(森ます美著、有斐閣、
       

     

    「賃金における均等待遇を巡る論点について――遠藤公嗣氏論文を手掛かりに」、小越洋之助(国学院大学教授)、研究機構・インフォメーション・サービス NO.88、JILGInformation Service 20101112

      

    遠藤公嗣著『賃金の決め方―賃金形態と労働研究』(ミネルヴァ書房,20056月),vi+233頁,定価2800円+税)、小越洋之助、大原社会問題研究所雑誌 No.56820063

     

      * 本サイトの主なCONTENTS

    インターネット上の労働組合のいま、未来

     1 連合を担う人たちの意識と行動

    2 連合運動は「社会のバリケード」になれるか

       
    1960年代の「八幡製鉄所インフォーマルグループ」の育成文書

     
    3インターネット上の労働組合のいま、未来――書評・論点

     4 ユニオン・ショップ制を超える

     5 私たちの労働組合運動史論・あれこれ 

     6 コミュニティユニオン・合同労組・中小運動・地域共闘・社会的有用生産を担う ・ 

      7 全労連を担うひとたち

       下山房雄のページ
     
       旧芹澤寿良のページ
      黒川俊雄のページ
     
      早川征一郎のページ
     
      中林賢二郎のページ
     
      五十嵐仁のページ
     
     現代労働組合研究会(旧)
     
     労働組合・ユニオンの動向
     
      連合を担う人たち
     
     労働組合・労働問題の本
     
     ユニオンショップを超える
     
      インターネット事業団
     
      シーアンドシー出版
     
      ある編集者のブログ
     
      全労連を担う人たち
     




2017.08.07UP





2014.11.16UP











▽文化人・労働関係者のブログ 労働関係のHP


 
 
 


  (未完成)

労働関係研究者のHP・ブログ
◇リンク

芹澤寿良のページ

下山房雄のページ

黒川俊雄のページ

中林賢二郎のページ


川﨑忠文のページ
(回想の川﨑忠文)

今崎暁巳のページ(「今崎暁巳さんと私」)

早川征一郎のページ


五十嵐仁のページ

小越洋之助のページ

富沢賢治のページ

浅見和彦のページ

木下武男のページ

手島繁一のページ




現代労働組合研究会のHP
  
  労働組合・ユニオンの動向
  それぞれの労働運動史・論 1
  それぞれの労働運動史・論 3
  それぞれの労働運動史・論 4
  労働組合・労働問題の本
  ユニオンショップを超える
  連合を担う人たち
  全労連を担う人たち
  全労協をになうひとたち
  インフォーマル組織の過去・未来

編集人:飯島信吾
ブログ:ある編集者のブログ
企画・制作:インターネット事業団 のホームページ
      インターネット事業団(本メールにご連絡ください)

UP  2012年07月07日
更新  2012年08月26日
更新  2012年09月02日
更新  2012年09月10日
更新  2012年11月09日
更新  2012年11月09日
更新  2013年01月10日
更新  2013年12月15日
更新  2013年12月24日
更新  2013年12月25日
更新  2013年12月27日
更新  2014年02月17日
更新  2014年03月01日
更新  2014年03月07日
更新  2014年04月15日
更新  2014年06月02日
更新  2014年06月09日
更新  2014年07月03日
更新 2014年08月04日
更新 2014年11月17日
更新 2015年03月01日
更新 2015年04月05日
更新 2015年04月22日
更新 2015年07月28日
更新 2015年08月19日
更新 2016年02月21日
更新 2016年05月27日
更新 2016年09月01日
更新 2017年08月15日
更新 2017年10月17日
更新 2018年02月09日
更新 2020年07月23日
更新 2020年08月13日
更新 2021年01月15日
更新 2021年06月13日
更新 2021年06月16日
更新 2021年07月23日
更新 2024年11月07日